令和6年度事業計画

 令和6年度事業計画

1.基 本 方 針

 令和元年末からのコロナウイルスの流行から約5年が経過し、アフターコロナに突入した。経済活動は活発化しているものの、農業を取り巻く環境は非常に厳しく、我々農業者にとっては先々を見通せない危機的な状況にある。

 わが国農業をめぐっては、生産基盤の弱体化が進むとともに、生産資材価格の高騰・高止まりが農業者に深刻な影響を与えている一方で、生産コストの国産農畜産物への価格転嫁が進んでいない。

 加えて、凍霜害被害や昨年度のようなこれまでにない高温・少雨など、気象災害の常態化が懸念される。

 他方、国際的には、地球規模の気候変動や世界的な人口増加、ロシアのウクライナ侵攻による「食料の武器化」を背景に、「食料安全保障の強化」が目下最大の課題となっている。

 食料安全保障への意識が高まっているなか、政府は、今後数十年の農政を方向付ける「食料・農業・農村基本法」の改正法案や関連施策について、審議を始めている。

 令和6年度は、改正後の食料・農業・農村基本法のもと、食料・農業・農村基本計画の概ね5年ごとの変更が予定されており、再生産に向けた意欲が湧き上がるような基本計画の策定、その実現に必要となる再生産に配慮された適正な価格形成をはじめとした関係施策の具体化が求められる。

 JAグループでは、「食料安全保障の強化」ならびに「持続可能な農業・農村の実現」に向け、国民が必要とし消費する食料は出来るだけその国で生産する「国消国産」というキーメッセージを発信している。

 以上の情勢認識のもと、我々青年組織は引き続き行動指針かつ政策提言集であるポリシーブックを軸とし、自分達でやるべき「自助」、JAと取り組むべき「共助」、行政と取り組むべき「公助」の理念のもと、地域農業の担い手として、活動を展開していく必要がある。

 我々には国民に安心・安全で豊かな食を提供することや地域農業を守り、次世代へ繋ぐといった責務がある。今一度、国民の食を担う存在であることを再認識し、JAグループと連携のうえ、必要な政策を訴える農政活動や次代を担う子供たちへの食農教育を通じ、「食料安全保障の強化」「持続可能な農業・農村の実現」に向けた取り組みを進めていく。

 我々青年組織は、今こそ誇り高き青年の情熱と協同の力をもって、JAをよりどころに全青協・ブロック農青協、女性部等と連携し、地域農業の担い手として、農業が抱える課題解決に向け、取り組んでいく必要がある。

 また、自らの組織の強化・活性化に取り組むとともに、地域農業の活性化と農業者が将来に展望の持てる施策の実現を図るため、青年部盟友の英知と行動力を結集して、次に掲げる活動を積極的に展開する。

 

2.重点実施事項

 (1)JA青年部ならびに県青協の活性化対策の検討と実践
 (2)国民的合意形成運動および政策要求・農政運動の展開
 (3)食農教育への積極的参画
 (4)農業経営の確立に向けた学習活動の展開

3.活 動 計 画

(1)青年組織基盤強化・活性化に向けた取り組み

 JA青年組織のあり方、事業展開等について十分な論議と実践による組織基盤の確立とJA青年組織活性化に向け取り組む。

 ① JA青年組織基盤強化・活性化具体策の検討と実践
 ② 盟友拡大に向けた取り組みと将来の青年組織を担うリーダーの育成
 ③ 単組委員長・部長・事務局合同会議、青年大会など各種発表会の実施
 ④ JA全青協、東北・北海道ブロック、県JA女性協、JA県域組織等各関係機関との連携強化
 ⑤ 県内全青年部でのポリシーブック作成・活用に向けた取り組みの展開
 ⑥ 県青協ホームページや動画共有サイト、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を用いた活動の報告・情報の共有化、ならびに広報機能の充実・強化

 

(2)国民的合意形成運動および政策要求・農政運動の展開に向けた取り組み

 農畜産物価格の低迷や、気象災害、燃油及び飼料・生産資材価格の高騰等により農業所得が減少する中、県産農畜産物の需要増や食料安全保障の強化、持続可能な農業・農村の実現をめざし、農業政策の提言活動や農政運動を展開する。

 ① 行政へのポリシーブックの周知活動ならびに活用による政策提言等の実施
 ② JAの自己改革にかかる意識共有および理解促進
 ③ 水田農業政策ならびに主食用米の需給緩和等への対応
 ④ 基本農政の確立を求める運動の展開
 ⑤ 県農業施策に意見を反映する活動の展開
 ⑥ 消費者および異業種団体との連携強化
 ⑦ 手作り看板や1分間動画の作成による自発意識の向上ならびに消費者へのPR活動
 ⑧ 農業の魅力のPR等による新規就農者の確保に向けた活動の展開

 

(3)食農教育への取り組み

 次代を担う子どもたちに対して、安全な食と豊かな自然環境を引き継ぐとともに、消費者に対する農業理解および学校教育における農業への理解の促進を図るため、食農教育に積極的に取り組む。

 ① 県青協ホームページや動画共有サイト、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を活用した食農教育活動の展開
 ② 国消国産の国民理解醸成、県産農産物消費拡大にかかる食農教育活動の展開
 ③ 消費者理解醸成に関する取り組みの展開

 

(4)農業経営の確立にむけた学習活動の展開

JA青年組織のあり方を検討する中で、農業経営の確立に向けた学習活動を行うともに、自己啓発をはかる

 ① 地域農業の中核的役割を担うための研修会・学習活動の実践
 ②「日本農業新聞」の普及・活用
 ③ 『地上』購読・学習運動の展開
 ④ 農業情勢、農政課題についての学習

 

(5)JA運営への参画とJA改革の実践

 地域農業・JA運動の中核的な担い手層のニーズに応えるJAづくりに向け、JA運動強化のための提言活動を展開するとともに、JA運営への参画を推進する。

 ① JAグループ役職員との意見交換会の開催
 ② JA運動強化のための提言活動
 ③ 青年部盟友のJA運営への参画推進